【学力検査分析】2024神奈川県公立高校入試 学力検査(5科)問題分析&受験生の感想集
今回は、2月15日(学力検査翌日)に2024年度 神奈川公立高校入試速報ページで公開した「学力検査感想集&入試問題分析」より、ステップ教材研究部による学力検査(5科目)の問題分析と、受験したステップ生の感想をご紹介します。
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ステップ教材研究部による問題分析
※2月15日発行「ステップニュース特別号・2024年神奈川県公立高校入試 学力検査・生徒感想集」より。
英語
問6で「都市化と水害」、問8で「若者の政治参加」に関する英文が出題されました。単語の幅広い知識を支えに、英文とグラフを行き来しながら正解を素早く確定していくという情報処理能力が求められました。問2から問4の文法問題では、単語力と同時に正確な文法力を発揮させる必要がありました。全体として昨年までよりも高い英語力が求められる問題でした。
ステップ生全体の平均点(自己採点)は、昨年比-9.4点です。
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国語
問五は2つの文章をまとめる問題に変更されました。記述は指定語句を使ってまとめるものでしたが、文末にうまくつなげることに注意が必要でした。問三は「ファッションと言語」というあまり目にしないテーマだったので、内容を把握することが難しく、選択肢は細かい言い回しまで精査する必要がありました。問四は、主語が言い換えられている部分が多く、本文の意味を取るのに苦労しそうです。
ステップ生全体の平均点(自己採点)は昨年より大きく下がり、72.9点(-12.5点)でした。
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数学
問2と問6の小問数に若干の変化はあったものの、形式はほぼ例年通りで、問3に難度が高めの問題が並びました。問3(イ)(ii)の選択肢IVの平均値はヒストグラムの形状から判断する必要があり、悩んだ生徒も多かったようです。また、問3(エ)の食塩水や問4(ウ)の座標を求める問題では計算力も問われました。逆に、問5の確率は例年に比べてルールがシンプルで取り組みやすかったのではないでしょうか。
ステップ生全体の平均点(自己採点)は昨年よりも若干アップし、69.5点(+1.6点)でした。
<関連>数学問3(ウ)の解説動画
理科
物理・化学・生物・地学の出題バランスに変更はありませんでしたが、配点が変わり、1点や2点の問題が出てきました。輪軸やしゅう曲のでき方、2つの対立形質の遺伝など、与えられた情報からさらに一歩踏み込んだ考え方を必要とするものが出題されました。また、問5(エ)や問6(エ)、問8(ウ)では、複数の図やグラフから必要な情報を選びとることが求められました。時間のかかる問題が多かった半面、「完答」がなくなり配点が細分化された影響で、点数は取りやすくなっていました。
ステップ生全体の平均点(自己採点)は、昨年比+4.2点でした。
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社会
大問は昨年までと同じく7題でした。地理・歴史・公民ともに基礎力を問う問題が出されましたが、問2(オ)の「各国の研究費とGDP」、問3(イ)の「東大寺の荘園」、問6(エ)の「最高裁判所の判断」についての資料の読み取り問題など思考力が試されるものも多く出題されました。8択が6題、9択が1題出されたうえに、問7(エ)の複雑な手順と計算を要する資料活用問題の配点が5点でしたので、ステップ生平均点(自己採点)は昨年よりもやや低くなっています。
ステップ生全体の平均点(自己採点)は、昨年比-5.8点でした。
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ステップ生自己採点平均点(過去4年比較)
教科/年度 | 2024 | 2023 | 2022 |
---|---|---|---|
英語 | 66.9 | 76.3 | 72.3 |
国語 | 72.9 | 85.4 | 73.2 |
数学 | 69.5 | 67.9 | 66.5 |
理科 | 71.8 | 67.6 | 76.4 |
社会 | 71.9 | 77.7 | 83.3 |
5科計 | 353.0 | 375.0 | 371.7 |
【参考】過去年度のステップ生自己採点と全県平均の差
※「ステップ生自己採点平均点」は合格者と不合格者を合わせた平均、「全県平均点」は合格者のみの平均です。
2023年度
ステップ生 自己採点 平均点 | 全県平均点 | |
英語 | 76.3 | 55.3 |
国語 | 85.4 | 75.1 |
数学 | 67.9 | 53.0 |
理科 | 67.6 | 51.0 |
社会 | 77.7 | 58.4 |
5科計 | 375.0 | 292.8 |
2022年度
ステップ生 自己採点 平均点 | 全県平均点 | |
英語 | 72.3 | 52.1 |
国語 | 73.2 | 61.3 |
数学 | 66.5 | 52.9 |
理科 | 76.4 | 58.9 |
社会 | 83.3 | 62.4 |
5科計 | 371.7 | 287.6 |
受験直後の生徒の声
※公立高校入試の学力検査は、英語→国語→数学→(昼休み)→理科→社会の順で行われます。
英語の感想
- 私立高校の入試で経験していたとはいえ、公立入試独自の空気に呑まれ、リスニングが終わるまでは心臓がバクバクだった。
- 緊張もあったが、明らかに「難化している」というのが一瞬で分かった。問4が想像の5乗くらい難しくて、かなりあせった。
- 問2と3に見慣れない単語が多かった。長文はグラフの読み取りが多くて、時間配分に苦労した。
- 問7のライオンで間違えた。とうぶん動物園には行きたくない(笑)。
- 英語が得意科目というプライドがあり、読解を自信をもって解き始めたが、一つも分からず、どんどん飛ばし、あっという間に最終問題。本当にパニックになりました。
- 過去の自分に「単語もちゃんとやれ」と言ってやりたいですね。
- 1時間目がコレで、この後は大丈夫なのか不安にさせられました。
- 頭の中でうまく訳せない単語が多かったかなと思う。問7は整理するのが大変だった。
- 問6の読解が特に難しくて、英語の試験が終わったときに試験会場が静まり返っていた。
- 終わった瞬間「ヤバイ、ヤバイ」とザワザワ。「難しいと感じているのは私だけではない!」と安心した。
国語の感想
- 小説がいい話で涙ぐんでいたら、あまりにも古文が難しくて涙が引っ込み、問題形式の変わった問5で絶望した。
- 祖父と祖母が青森出身なので、小説文の方言がけっこう分かった。感謝したい。
- 小説文に感動しすぎて涙が…。ぼやける視界で解いた。
- 小説文が、朝に応援してくれた自分の父親と重なってしまい、涙ぐんでしまった。
- ファッションセンスのない僕に、ファッションの話(問3)はわからん!
- 問5(イ)の問題は、過去問でやったのとだいぶ変わった出題形式で「君は、誰!?」と叫びそうになりました。人間って急な変化に弱いんだなーと思った。
- 終了のチャイムが鳴った瞬間に嫌な予感。答案を見たら指定語句を使い忘れている!
- 古文の問題…あれはたぶん、大学の国文学科とかがやるやつだ。
- 古文が難しくて、とばして最後の30秒くらいで「どうにでもなれ~」という気持ちで答えを選んで書いたら、全問正解。あきらめなくてよかった。
- 古文が特に難しかった。いつもは話の流れがわかるけれど、今回は人物の名前と、領地についてもめていること以外は分からなかった。
- 薄々「今年は難しくなるだろうな」と思っていたけれど、想像の斜め上を行く問題でビックリ。
数学の感想
- 平均値の計算は「なんとなく」でやったけど…。なんとかなったかな?
- 問3を解いていて「マズイ、わからない(泣)」となったけれど「自分ができないなら、周りの人も問題がくさび形文字にしか見えないはず」というマインドでがんばった!
- 数学の6点問題、マークミス! やってしまった!
- 問6(ウ)がなくなり、濃度の問題の選択肢が多くて、「勘でやるのはムリ」と思い、計算しました。おかげで事前に決めていた時間配分が狂わされて、「これが入試かぁ」と感じました。
- 食塩水の問題は日本語が難しかった。塩にすべてを狂わされた…。
- 解いているとき「これはマズイやつだ。焦ったらろくなことがない」と思った。
- 今まで一度も時間内に解けなかった空間図形の最後の問題が解けた! 心の中で「やったー!」と叫んでいました。
- 見たことがないタイプの問題や設問数変更など「県が本気を出してきたな」と思った。
- 始まる直前に「球の体積の公式はなんだっけ?」とみんなで確認し合ってたら本当に出た。予言者がいた!?
- 問2で「できた!」と思ったのに選択肢に選びたいものがない…!
- 確率が解けたときの脳汁(ドーパミン?)がすごかった! ある意味楽しかった。
- 試験が終わった後、みんなどこかを向いていました。自分は時計を見つめていました。
- 終わったとき「やばいかも」と思ったけれど、前に座っていた3人の受験生が耳を真っ赤にしていて「みんなも難しかったんだな」と思った。
理科の感想
- 英国数で傷ついた心を理科が癒してくれた。最初3教科に比べたらまだマシ?という感じ。
- 問1の(1)が難しくて焦ってしまい、問題訂正の板書に気づかず試験が終わってしまった。
- できる問題とできない問題の差が激しすぎた。手が震えて書けない…。
- 物理のところは手汗がぶわぁっとなった。
- 試験後、前の席の人も「こんな滑車見たことない!」と言っていて安心した。
- 2問解けないだけで、「もう30点ぐらい失っているんじゃないか」という気分になった。
- 地層のしゅう曲の問題がきて「いけるかも!」と思ったけど、見たこともない曲がり方に絶望した。
- 途中から焦りで視野が狭くなる。普段の冷静さを失い、終わるのがギリギリでした。
- 「時間はあるので落ち着け!」を意識してうまくいった。午前中はこの世の終わりだと思ったけど…生き返った!
- ひとつの問題を深く考えすぎてしまい、最後まで十分に考える時間が取れなかった。
- 完答3点だけではなく、1点、2点みたいに分けて点をくれたのはありがたかった。
- 輪軸などの知らない道具が出てきて驚いた。直前模試と同じくらいのレベルだったので楽しんで解くような感じでテストを受けた。
- 問題の訂正があってびっくり! 入試でもそういうことってあるんだ、と思った。
社会の感想
- ページ一面、知っている用語でいっぱいだったので、解き始めはモチベーションがあったのに、見ていくにつれて問いの中身が意味わからなさすぎて泣きそうでした。
- けっこう時間が余って、「まあまあ取れたのでは?」と思って安心したのに、自己採点の結果はよくなかった…。
- 1問1問、知識が渋滞するほど考えたけど、解くことができました。
- 資料読み取り問題が多すぎて混乱した。もうお腹いっぱい!って感じ。
- 聖武天皇は本当に問題によく出てくるなぁと思った。
- 今までの科目が難しかっただけに、簡単に解けた自分の答えが信じられなかった。
- 社会の先生が熱く語っていた野球の話が、ピッタリすぎるくらいに出た。
- 今の世の中が円安だから「入試に出るかも?」と思っていたら、本当に出てうれしかった。
- 5点問題がある! これは間違えられないぞ、と気合いが入った。
- 最後の科目で気が緩んでしまった。慎重に解けばイケるものが多かったのに。
- 今振り返ると「もっとやったところが出てほしかった」という気持ちですごく悔しい。
- 選択肢を「そうはならんやろ!」と心の中でツッコミを入れながら切っていって、テンポよく解くことができてよかった。
- 5点問題があって、しかも最後にあったから、イジワルだなぁと思った。
- 簡単なところもあれば難しいところもあって全然ダメだった。だけど、特に勉強した歴史は地理と公民よりできたと思うし、全力を出せた!
その他…会場の様子やハプニングなど
- トイレがきれいだった! ここを使うのを入試だけで終わりにしたくありません!
- いつも使っているシャーペンを家に忘れてしまった。鉛筆に慣れるため、リラックスも兼ねて休み時間に絵を描いたりしていました。
- 同じ教室に知り合いがたくさんいたので、休み時間は励まし合ったり話したり。気持ちを落ち着かせることができました。
- 試験会場に蜂が入り、途中で中断しました。
- お弁当にチーズとのりで「合格」って書いてあって、うれしいけど恥ずかしい…。
- 弁当の箸を忘れた! おかげでおかずは口にできず、食べたのはおにぎりだけ。
- お昼を食べているとき、キットカットの裏に家族からのメッセージで涙…。この恩は返さなければと思い、午後の科目で前向きになれた。
- 休み時間はみんな余裕そうな顔をしていたので、とりあえず自分もそうしておきました。
- 海がきれいだったけど、帰りは空が曇ってて、自分の気持ちみたいだった。
- 入試前日よりも緊張していなくて、そんな自分がかっこよかった。
- 同じ教室の人に帰りの電車で話しかけたら仲良くなった!「絶対受かってまた会おう」と約束しました。