【高校受験】志望校はいつまでに決めればいい?(動画書き起こし)
この記事では、神奈川県の高校入試について、公立高校と私立高校、それぞれ志望校をいつまでに決定すればいいのかをお伝えします。
※この記事は、2024年9月16日に公開したYouTube動画
<神奈川県高校入試>志望校はいつまでに決めればいい?(高校入試、ここが知りたい! )
のテキスト版です。
皆さんこんにちは。ステップ ティーチング・アシスタントの中山です。
ステップ中学部運営本部の井村です。
今回は神奈川県の公立高校・私立高校、それぞれで「志望校をいつまでに決めればいいのか?」がテーマです。
ではまず、公立高校について見ていきましょう。
公立高校の志望校決定のリミットは?
中3の11月以降のスケジュールを見ていきます。
まず、11月頭~中旬にかけて、各中学校で定期テストがありますね。
3期制の学校では2学期の期末テスト、2期制の中学では後期中間テストですね。
このテストの結果を受け、入試用の資料となる内申が決定します。
内申決定前の最後の定期テストなので、まずはこのテストに全力を尽くしてほしいですね。
内申が決定してから、11月末から12月中旬に中学校で三者面談があります。
この内申は、三者面談の前に伝えられることがほとんどですが、なかにはこの三者面談で初めて内申を伝えられる中学校もあるようです。
はい、相模原市などの一部の中学ではそのようです。
できれば先に内申を教えてもらって、ご家庭や塾で話し合ってから三者面談に臨みたいところですよね。
そして年が明け、(公立第一志望の場合は)2月10日から(併願の)私立高校の入試、2月14日から公立高校の入試というスケジュールです。
では公立高校については、どのタイミングが最終決定だと思いますか?
そうですね…。
11月末~12月上旬の中学校での三者面談で、中学校の先生から志望校を聞かれると思うので、ここで決めておいた方がよさそうに思えてしまいますが。
確かに、この三者面談で公立の受験についても話をしますよね。
ところで例年、この時期になると、中学校の先生から
「君のこの内申だと○○高校は無理だよ」とか、
「この内申だと○○高校に受かるには、入試で満点近く取らないといけないよ」と言われて、
落ち込んで帰ってくる生徒が多いんです。
昨年度、ステップのあるスクールの報告では、生徒が中学校で
「内申110(135点満点)では、小田原高校は100%無理だよ」
と断言されてしまったことがあったそうです。
内申110というと“オール4”くらいですが、本当に小田原高校の合格は無理なのですか?
いいえ。あくまでステップ生のデータですが、110より低い内申…たとえば100前後からも、毎年小田原高校に合格者が出ています。
別のスクールからの報告では、中学校の先生から「市ケ尾高校に合格するには内申120以上が必要」と言われたというケースもありました。
内申120と言うと、4と5が半分くらいというイメージですが…。
中学校の先生は内申点以外のデータを十分にお持ちではないので、内申点のみで合否を判断するといった指導が、毎年少なからず聞かれます。
確かに内申点も合否判定の資料に入ります。
ですが、今の入試において合否への影響はさほど大きくないんです。
さきほど話題に上がった、2024年度入試の市ケ尾高校のデータを見ていきましょう。
ステップ生のみのデータとなりますので、その点はご了承ください。
確かに内申116以上の生徒は全員合格していますが、
以降は内申点の得点帯による差は、あまりないように見えますね。
「内申が高ければ高いほど合格率が上がっていく」のかと思ったら、そうではないんですね!
そしてなんと、内申95以下の生徒は合格率100%です。
まさか、95以下の生徒が1人で、その1人が合格したから100%ということでは…?
いえ、あくまでもステップ内のデータですが、複数の生徒が合格しています。
内申が95ということは、3が半分、4が半分ぐらいですね。
先ほど、中学校で「市ケ尾高校に合格するには内申120以上が必要」と指導された、という例を見ましたが…。
実際のデータを見てみると、内申点だけで合否を読むのは難しそうですね。
そうなんです。では合否の決め手は何かというと、学力検査ですね。
こちらは「得点が高ければ高いほど合格率も上がっていく」形になっています。
ですので、内申点ももちろん大切ですが、入試本番での得点力をメインに志望校を決めてほしいと思います。
ここで先程のスケジュールに戻りますと…。
今のデータでも分かる通り、この三者面談の時点で、内申点の情報のみで受験校を決めるというのは、ちょっと早すぎる気がしますね。
三者面談から入試本番まで、2ヶ月半ほどありますし。
はい。しかもその間には冬休みがあって、塾に通っている人には冬期講習などもあります。
この時期、「最後の追い上げ」でグッと力をつける生徒もきっとたくさんいますよね。
ですからこの三者面談で公立受験校を決めるのは、時期尚早ではないかと。
では、公立高校の受験校はいつ決めたらいいですか?
こちらが2025年の、1月後半~2月末のカレンダーです。
出願期間は1月23日(木)~29日(水)の1週間。
24年度入試からWeb出願になったので、最終日の29日を除き、24時間自宅から出願手続きができます(※29日は午前のみ)。
では、どの時点が公立高校受験校の最終決定だと思いますか?
出願の初日である1月23日あたりでしょうか…?
確かに「初日に出願を済ませてしまいたい」というのであればそうなります。
ですが、出願期間は1週間ありますので、慌てて出願する必要はありません。
そうなると、1月29日ごろまで考えていてもいいんですね。
そうなんです。
ステップも含め、多くの塾で土曜、日曜に授業や模試があるかと思います。
すると、その模試や授業の結果を受けて、28日や29日に出願することができます。
なるほど。25日や26日に塾で授業や模試に参加し、26日の夜に家族で話し合って、自宅からWeb出願をするというイメージですね。
ところで、このタイミングが「最終決定➀」とありますが…?
はい、そうなんです。実はこの後にも、出願校を変えるタイミングがあります。それが「志願変更」です。
出願の最終日の翌日(1月30日(木))に倍率が発表されますから、その倍率を見て、一度だけ志願先を変更することができます。
自分が出願した高校の倍率が思ったよりも高かったとき、もしくは本当に出願したかった学校の倍率が思ったよりも低くて「ちょっとチャンスありそうだな」というときに、志願変更をする生徒が多いです。
実際に志願変更をする生徒は多いんですか?
24年度入試では3698人が志願変更していますので、ポピュラーな作戦といえます。
ということは、志願変更まで視野に入れると、2月2~3日あたりまで考える時間があるのですね。
そうですね。最終決定➀から1週間ほど受験校を検討できる時間が増やせる、ここが本当に本当の最終決定ということです。
では、まとめると…
公立高校の志望校(出願校決定)は、
1月26日、27日頃(出願期間)がタイムリミット。ただし、志願変更も視野に入れている場合は、2月の志願変更期間に最終判断
となりますね。
はい。高校受験は一生に一度ですから、ぜひ悔いのない選択をしてほしいと思います!
進路希望調査(11月発表)は参考程度に
ところで、例年11月に発表される「進路希望調査」の倍率も、学校選びの参考になりますか?
進路希望調査とは?
10月20日時点の、全公立中学校の中3生の進路希望を調査したもの(正式には「公立中学校等卒業予定者の進路希望の状況」)。
例年、11月下旬に公表されています。
これを見ると、10月の段階での各学校の倍率が分かりますね。
ここでの倍率も志望校選びの参考になるのかなと思うんですが、どうでしょうか。
では、昨年の調査結果と、実際の入試での倍率を比較してみます。
海老名高校と茅ケ崎北陵高校、この2校を例に見ていきましょう。
まずは海老名高校。前年度の2023年度入試では倍率が1.34倍でした。
この年の全県平均倍率は1.20倍ですから、1.34倍というと比較的高倍率と言えますね。
そうですね。倍率が1.3倍を超えると高倍率と考えていいでしょう。
そして2024年度はというと、10月の希望調査の結果は1.88倍と高倍率。ですが、入試の段階では1.20倍と落ち着きます。
希望調査と入試の差を見てみると、けっこう違うんですね。
続いて茅ケ崎北陵高校。こちらも前年度(2023年度)は1.3倍を超える高倍率です。
しかし、2024年度の10月の希望調査の結果は1.12倍。比較的穏やかな倍率になりましたね。
北陵を目指している生徒からすると、もう「やったー!」という感じですよね。
ところが入試の倍率を見ると、1.31倍。前年度の倍率に近い水準に戻ってしまいました。
こうして見てみると、進路希望調査での倍率と、実際の入試の倍率は随分変わるんですね。
すると進路希望調査の倍率は、あまり参考にならないのでしょうか。
このデータを見ると、そう感じてしまいますよね。
ただ、次のデータも見てください。
全日制普通科高校113校について、10月の希望調査と入試の倍率がどう変化したのかを調べてみました。
まずは10月の希望調査時点で、
・10月時点の倍率が1.30倍以上の高校
・1.10倍以上1.30倍未満(全県平均付近の高校)
・1.10倍未満の高校
を見てみると…。
進路希望調査の段階では、1.3倍を超える高倍率の学校が一番多いんですね。
ところが、その高倍率だった高校は、実際の入試では1校を除いて、すべての高校が倍率が下がっているんです。
一方、倍率が全県平均付近になった高校は、きれいに半々に分かれていますね。
はい。全体的な傾向を見ると、
進路希望調査(10月時点)の倍率が高い→入試では倍率が下がる
進路希望調査(10月時点)の倍率が低い→入試では倍率が上がる
といえます。
先ほど見た海老名、茅ケ崎北陵のように、個々の高校ではその後大きく変動しますが、
このような全体的な傾向は頭に入れておくといいかと思います。
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私立高校の併願確約校の志望校決定のリミットは?