神奈川県 私立高校の選抜方法について解説(推薦/専願・併願・オープン型)<高校入試Q&A>

 神奈川県の私立高校には、いくつかの選抜方法があります。第一志望として受験する場合の推薦専願、他の学校を第一志望とする場合の併願(併願確約)、そして内申点に関わらず、入試当日の得点で合否が決まるオープン型入試
 同じ学校でも、どの入試形態で受験するかによって、選抜方法や合格基準が異なります。

 この記事では、各入試方式の特徴や、それぞれの共通点、違いなどを解説します。

※この記事は、2023年1月公開の動画「<神奈川県私立高校入試>入試制度(高校入試、ここが知りたい! 私立編その1)」のテキスト版です。

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神奈川県の私立高校の選抜方法


神奈川県の私立高校の入試方式は、大きく分けて推薦専願併願併願確約)・オープン型入試の4パターン。

オープン型入試は、内申点に関係なく、入試当日の学力試験の得点によって合否が決まります。

一方、推薦・専願・併願確約の場合、各高校が定めた内申基準点に達していれば、合格の確約がいただけます(内申確約型)。出願前に中学と高校で入試相談が行われ、事実上、ここで合格が決まります。そのため、事前の三者面談で、中学校へ受験の意思を伝えておく必要があります。

・難関私立高校(早慶付属校など)の推薦入試は、内申確約型ではありません。

・東京都の私立高校で行われる「併願優遇」の場合、中高間で入試相談を行う流れは同じですが、高校によっては内申基準点だけで、そのまま合格確約とはならない場合があります。詳しくは以下の記事をご覧ください。

【内申確約型】受験の流れ

①~10月初旬…各高校が内申基準点を発表
入試で使用する中3内申点は12月に決定します。自分の内申点が上がった/下がった/変わらなかった場合を考慮し、候補を絞り込んでおくとよいでしょう。
②11月下旬~12月初旬…中学校の三者面談で受験校を詰める
入試で使用する内申点が確定した後、各中学校で三者面談が行われます。
この場で、どの私立高校をどの入試形態で受験したいかを中学校へ伝えます。
その場で決まることもありますが、一旦持ち返って家庭で相談して決め、その後に中学校側に伝える場合もあります。
③12月中旬(15日ごろ)…中学校と高校の入試相談→合格内定
三者面談の内容をもとに、中学校から高校側に「この生徒が志願しています」という打診がなされます。高校から「内申点の基準をクリアしています」との回答が返ってくれば、この時点で実質的に合格が内定します。
④1月…出願手続き
併願確約の場合、高校によっては入学試験を行わない場合があります(書類選考入試と呼ばれます)。
この場合、出願手続き(Web&郵送が一般的です)をすれば、高校に行く必要はありません。
⑤1~2月…入学試験
推薦の場合は1月、専願や併願の場合は2月に入学試験(学科試験や面接等)を行います。
この試験は形式的なもので、入試相談でOKをいただけている場合、素行上の問題等がない限り不合格にはなりません(ただし、いくら内定が出ているといっても、試験を受けなければ不合格になります)。

上記の通り、併願確約実施校のなかには、入学試験を行わない学校もあります(書類選考入試)。

推薦・専願(第一志望の場合・内申確約型)

推薦入試・専願入試は、その高校が第一志望であることが前提の入試方式。そのため他の学校を受験することはできませんし、合格した場合は必ず進学することになります。先述の通り、成績が内申基準点に到達していれば合格が内定します。

両者の違いは、試験の時期が推薦は1月、専願は2月(10日が多いです)であること。また、推薦入試の場合は入学試験で学力試験を実施しません。専願の場合、多くの学校で学力検査がありますが、書類選考だけの学校も。
いずれにせよ形式的な試験ですので、基本的に不合格になることはありません。

また、内申基準点は、推薦入試の方が専願入試よりもやや高めになる傾向があります。

※神奈川県の私学協会の取り決めで「推薦入試の枠は募集定員の5割まで」というルールがあるため、その枠を超える第一志望者を専願で受け入れているというのが実情で、実質的には両者に大きな違いはありません。

併願(第一志望が別にある場合・内申確約型)

併願入試(神奈川県の私立高校の場合、併願確約と呼ばれます)は、他の学校が第一志望で、おさえとして受験する場合の入試方式。第一志望校の受験前に、確実に合格できる高校を1校確保できるというシステムです。
第一志望者が受験する推薦や専願と比べると、内申基準点が高く設定されているのが特徴です。

たとえば神奈川県内にある私立A高校の、令和5年度入試の内申基準点を見てみますと、推薦と専願の差に比べ、併願はより大きな差が開いていることが分かります。

オープン型(入試得点勝負)

オープン型の入試は、内申点にかかわらず、入試の得点のみ(面接を実施する高校もあります)で合否が決まります。

難関私立高校では一般的な入試方式ですが、前述のような内申確約型の私立でも、主に「オープン入試」という名称で実施している学校が少なくありません。

入試日程は2/11以降のことが多く、併願確約とは受験日程が重ならなければ両方とも受験できます。

たとえば公立高校を第一志望として、併願確約で内申基準点をクリアした私立高校をおさえとし、実力勝負でオープン型入試の高校にもチャレンジする…といった「3校受験」のパターンをとることもできます。

ただし、高校によってはオープン型入試を設けていない場合も。受験生のみなさんは、自分の受験したい高校がどの入試方式を設けているのか確認し、そこに合わせた対策をしていきましょう。

動画でわかる 高校入試Q&A

学習塾ステップ公式YouTubeチャンネルで、「高校入試、ここが知りたい!」と題し、神奈川県の公立高校入試や、私立高校入試についてよくあるご質問にお答えしています。ぜひご覧ください。

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