保護者の皆さんに聞きました「わが子の高校入試のエピソード」「受験直前、親として心がけていたこと」

 いよいよ高校入試本番が近づいてきました。今回は、受験を経験した保護者の方からいただいたおたよりを掲載します。
 入試直前・本番のエピソードや、受験を迎えるわが子と接するうえで心がけていたことなどをお聞きしました。

あのときの息子の顔、一生忘れられません

 高2の兄の入試当日の話です。受験会場まではバスで20分ほど。事前にバス停や乗るバスの確認など、準備を万全にし、当日も無事送り出しました。「そろそろ到着しているだろう」と思ったそのとき、なんと息子が戻ってきたのです。聞けば「行き先の違うバスに乗ってしまい、おかしいと気づいて次のバス停で降り、走って戻った」とのこと。急いで車に乗り込み、時間ギリギリに到着。
 無事合格できた今は笑い話ですが、あのときインターホンに映ったどアップの息子の顔、冷や汗は一生忘れられません。

(T.T兄弟さん)

本当は合格発表までドキドキでしたが…

 高1の姉は入試当日ミスを連発し、泣きながら帰宅しました。私も心の中ではかなり動揺しましたが、肩を抱き「まだ入試は終わっていないよ。特色、面接で後悔ないように力を出してきて! 大丈夫。今までの努力はずっと見てきたからね」と伝えると、落ち着きを取り戻し、翌日は笑顔で「いってきます」と向かいました。
 母はドンと構えて背中を押さなければなりませんね(本当は合格発表までドキドキでしたが…)。

(マロンさん)

何度も声かけをしていたのに…

 入試当日の朝、もう一度「持ち物チェック」をさせたところ、前日にクリアファイルに挟んで、カバンに入れたはずの受験票が入っていないではないですか!
 「ない、ない」と慌てる娘に、私も頭の中が真っ白になりました。前日の夜に、プリントのチェックでもしたのでしょうか…、机の上のたくさんのプリントの山の中に埋もれていました。
 何度も声かけをしていたのに、「私の詰めが甘かった…」と深く反省しました(笑)。

(ゆりちゃん)

息子のがんばりと運の強さを実感

 6歳上の兄の高校受験。学力検査から帰ってきて話を聞くと、最初の英語のリスニングで頭が真っ白になり、そのまま国語へ引きずって、漢字の問で「ふっきん」を「筋肉」と書いてしまったとのこと(しかも、筋肉の字も間違えたそう)。
 「こんな簡単な漢字すら間違えるなんてもうダメだ」と、親子共々すっかり併願校へ気持ちを切り替えていましたが、結果はまさかの合格。本人いわく「翌日の面接をがんばったのが大きかった」とのこと。
 実際、開示点を見てみると面接が高得点で、最後まで諦めなかった息子のがんばりと運の強さを実感した入試となりました。

(ラムネさん)

受験の緊張と不安がやわらいで

 受験日、一日中落ち着かず娘の帰りを待っていました。ステップに寄ってから帰ってくる予定が、なかなか帰ってこないまま時間がどんどん過ぎていくばかりでした。
 18時過ぎ、ようやく帰ってきた娘が「帰り道で迷って2駅先まで歩いてしまった」と。友達と駅に向かっていたのに、緊張や不安がやわらぎ、話していて気づいたら2駅先になっていたみたいです。
 初めての受験を終えた娘は、緊張と不安から解放され、1時間以上も歩いた疲れから、その日は久しぶりにぐっすりでした。寝顔を見ながら、今までのがんばりに胸が一杯になりました。無事合格し、毎日元気に通っています。

(Hさん)

息子の心境を物語っていたお弁当

 3つ上の兄の受験のときは、とにかく“いつも通り”を心がけ、当日も「鉛筆、消しゴム持った?」と、忘れ物がないかだけを聞いて「いってらっしゃい」と送り出しました。
 その年の学力検査は、特に数学が難しかったようで「ごめん、あまり食べられなかった」と言いながら渡された、2口ほどしか減っていないお弁当箱が、そのときの心境を物語っていました。なんでも、周りの人の解答用紙はほとんど埋まっていて、自分の解答用紙だけが空白だらけに思えて仕方がなかったのだとか…。
 そんな兄も無事に希望する高校へいき、体験談として今年受験の弟に話してくれています。

(さぼてんさん)

きちんと送り出せたら、それでよし!

 上の子の受験直前、同級生のお母様とお会いしたとき、「親も色々と落ち着かないけど、試験日の朝、体調面など含めてきちんと送り出せたら、それでもう親の役目は果たしたし、よし!と思おう!」と言われたことで、とてもスッキリできたのを覚えています。たしかに、色々と落ち着かないこともあるけれど、親がしてあげられることは、家に帰ってきてからの体調管理と、しっかり充電させてあげることだと再確認しました。

(MKさん)

最後は「自分で決める」こと

 上の子は入試のとき、志望校をギリギリまで決められず、面接シートを3校分書きました。高校ごとに、選んだ理由やマイナスポイントなどを一緒に整理していきましたが、どんな結果でも受け止められるように「自分で決める」ことを伝えていました。最終的にはチャレンジするかしないかの選択になり、1月のステップの日曜講習の結果で決断しました。娘にとって、一生懸命に自分と向き合った時期でした。今は自分で選んだ高校に、満足して通っています。
 中2の下の子はやりたいことが明確なので、あまり迷わずに決まるかな?と思っていますが、どうでしょうか…。

(トコちゃん)

今でも大きな支えとなっている言葉

 なかなかよい言葉をかけることができず、「がんばって」とも「大丈夫だよ」とも言えなかった入試直前期。なぜなら娘はすでに十分「がんばって」いたし、それでも伸び悩む成績は「大丈夫」と言える状態ではなかったから。
 結局、入試直前に志願変更をした娘。第二志望の高校で自分はやっていけるのかとても不安だったそうです。そんなとき、その旨を伝えた後の面談でステップの先生から「君ならやっていける!」と言われ、その言葉が大きな支えに。「君なら…(私なら)やっていける…」「そうか! 進学する高校がやっていける高校かどうかではなく、自分がその高校でやっていける人間になるかどうかなんだ!」その瞬間、考え方がガラリと変わったそうです。
 その後、高校では「私ならやっていける」を標語に、行事にも積極的に参加し、勉学に励み、3年間皆勤で、これ以上ないほどの母校愛を持って卒業しました。「君ならやっていける」。この言葉はコロナ禍でオンラインになった大学生活の今でも、大きな支えとなっています。

(ほほえみさん)

チョコの味だけはしたのだそう

 入試当日の朝、「全然緊張していない」と言っていたのに、お昼の時間になっても全くおなかがすかなかったそうです。それでも午後の試験に向けて、無理矢理にでもお弁当を口に入れたものの、味が全然せず…そこで自分が緊張しているんだ、と気付いたそうです。先生から「疲れをとるためにお昼にチョコを食べるといい」と言われて持って行ったチョコの味だけはして、それで元気が出たのだとか。「チョコを持って行ってよかった」と言っていました。
 親としては、入試直前にはふだん通りに接するように心がけていました。本人は充分がんばっているので、「がんばれ」という声かけはしないように。それでも入試当日の朝に送り出すときには「がんばれ!」とついつい言ってしまいました。

(ハルリンさん)

息子の言葉で私も腹をくくりました

 現在高1の兄は、中1のときから志望校が決まっていました。ステップのオープン模試の結果はいつも良い判定だったわけではありませんが、「不合格でもいいから受けたい!」と意志は固く出願しました。
 予想はしていたものの、やはり高倍率。母親の私が不安になり、「どうする? まだ志願変更できるよ」と思わず聞いてしまいました。返ってきた言葉は「倍率なんて気にしてない。そんなことで弱気になっていたら受からないよ!」。
 すっかり頼もしくなった息子に驚くとともにうれしくもありました。その言葉で私も腹をくくり、入試の日まで前向きにサポートできたように思います。

(オレンジペコさん)

気づいてはいなかったでしょうが…

 上の子の受験のときは、なるべく「がんばって」という声掛けはしないようにしていました。言われなくてもがんばっているのは分かっていましたので…。学校やステップに送り出すときは「気をつけてね~」。帰ってきたら「おつかれ~」。それだけにしていました。私の意図に気づいてくれてはいなかったでしょうが。

(H.Aさん)

やっぱり緊張していたんだ(笑)

 学力検査当日、息子はいつもと変わらず、ひょうひょうとして出かけていきました。ステップニュースに載っていた先輩のお話を参考に、合間に食べられるお菓子も用意しましたが、「腹減らないし、いらない」と言われてしまいました。
 息子が帰ってきたので、「どうだった?」と聞くと、「試験直前、自分の心臓の音が、手をあてなくても分かった」とのこと。やっぱり緊張していたんだとクスリと笑ってしまいました。

(あさちゃん)

思い切って休ませてもらってよかった…

 1日目の学力検査は、最初の英語でかなり緊張したようで、思うような得点は取れませんでした。ただ、社会で過去最高点を取れたのは本当にうれしそうでした。
 面接の日の朝、駅まで送る車の中で、息子は少し体調が悪そうな様子。心配しながら学校へ向かい、到着してすぐに保健室へ。「入学前に保健室デビューしてしまった」と笑い話にできるまでは、ヒヤヒヤさせられました。
 思い切って保健室で休ませてもらえたのが回復のカギだったので、勇気を出して申し出ることも大切ですね!

(SFさん)