神奈川県公立高校ネット出願、保護者の感想は? – Gmailが使えないトラブル、学校の対応、サイトの操作性など

2024年1月、神奈川県公立高校入試で「インターネット出願」が初めて実施されました。

保護者からは「便利でよかった」という声が聞かれた一方、
「アカウント登録にGmailのアドレスを使うと、出願システムからのメールが届かない」「ダウンロードした受検票のPDFデータが文字化けする」といったシステムトラブルが困ったとの感想も聞かれました。

また、当ブログでも1月にお伝えしましたが、出願や志願変更について、中学校が「県が定めた期日より早く締切を設定する」など、独自の制約を設けているケースが目につきました。

ステップは昨年末に神奈川県教育委員会に対して、各中学校からの日程的制約に関する申し入れを行いました。その中で、出願志願変更において「生徒の申請締切」「中学校長の承認締切」が同日同時刻になっていることも制約の一因になっている可能性があるとして、この2つの締切をずらすことを提言しています。
なお、先日発表された2025年度入試の日程では、校長承認の締切が生徒申請締切の翌日に変更されました。

今回は、今春卒業生の保護者のおたよりから、公立高校のネット出願の感想をまとめました。

ネット出願になってよかったこと

初めてのネット出願ということで、不安でいっぱいでしたが、学校の指示に従い、段階を追って1つずつ確認しながら進めていけたので、心配していたほど大変な作業ではありませんでした。ネットに詳しくなくても、余裕を持って落ち着いて進めれば問題ありません。
今回はGmailが使えないとのトラブルがありましたが、そのような事態さえ起こらなければ、出願作業の負担も少なくとても楽でした!
(SUEさん)

出願であまり迷ったり手こずることはありませんでした。インフルエンザも流行する時期なので、オンラインで完結する仕組みはよかったと思います。
(よしさん)

わが家は大きなトラブルなく手続きを終える事ができて安心しました。受験料や入学金の支払いもすべてWebで行えたので、仕事を休むことなくできてよかったです。
(Rさん)

システムトラブル等について

一方で、システムトラブル等で困ったという声も。
出願システムの事前登録は1月4日から開始しましたが、9日からは登録アドレスにGmailを使用した場合、出願システムからのメールが届かず、登録を進行できないという問題が発生しました。

Gmailが使えず…

アカウント登録の際、Gmailが使えなかったことには困りました。中学校が決めた出願スケジュールがわりとタイトな中、問い合わせ先の神奈川県のヘルプデスクにも電話がなかなかつながらず、本当に焦りました。
(Yさん)

「待てば(Gmailを)使えるようになるかも」と思いましたが、「またトラブルが起きるのでは」と思い、新たにアドレスを取得しました。
(カエルさん)

重なるトラブルで不信感が…

いざ出願が始まると、最後の手順である受検票の印刷でも文字化けが起こり…。最後の最後まで気が抜けなかったです。
個人的にはX(旧Twitter)で流れていた情報にかなり救われたので、Xをやってないご家庭はどうやって乗り切ったのか不思議に思うほどでした。
(おふほわいとさん)

ネット出願は本当にいろいろと、神奈川県側も準備不足だったのかな?と疑問に思うことが多かったです。Gmailが使えないとか、受検票が文字化けするとか…。受験生は何事にもナイーブになっているのだから不安になるようなことはしないでほしい。支払い時のWeb手数料も高すぎると思います。
(さくらねこさん)

中学校の対応について

個々に対応していただけました

学校の先生方にとってもネット出願が初めてということもあり、流れや手順などを中学校の面談時に聞いても「はっきりとしたことは分からない」という答えしかいただけませんでした。詳しい手順をお知らせしてもらったのは年末のころだったような気がします。
また、娘が直前まで志望校を決めきれなかったので、中学校の先生には個別で相談し、出願の学校確認をギリギリまで待ってもらいました。(県が定めた)締切よりも数日早めの手続きをするよう言われていましたが、個々に対応していただき感謝しています。
(ここあさん)

学校独自の期日のためヒヤヒヤ…

公立高校の出願でGmailが使えなかったのは困りました(私立は使えたのですが…)。フリーメールではなく固定のメールアドレスを持っていた方が安心だと思いました。
また、神奈川県が指定する期日までに出願という訳にはいかず、「数日前に出願するように」と、中学校が独自に決めた出願期日がありました。学校の先生の都合によって決められた期日でしたが、生徒全員がちゃんとこの期日を守って出願していたそうです。
そのため、この時期に学校から配布されるプリントは「絶対」。子供と連絡は密にしないといけませんでした。抜けている娘はプリントが配布されたことを忘れることが多くあり、親としてはヒヤヒヤでした…。
(Yさん)

当初よりはソフトな対応に変わりましたが…

まず、6月に行われた中学校の進路説明会で「志願変更はなるべくしないでほしい」と言われたことがショックでした。この件に関しては、中学校側もその後もう少しソフトな対応に変わりましたが、ネット出願に変わったことのしわ寄せが生徒に来るのは、いくらなんでもひどいと思いました。
(おふほわいとさん)

学校からの確認の電話にモヤモヤ

学校説明会等もネット申し込みが多かったので、そこまで戸惑いはなかったです。
ただ、学校からは「チェックや手続きの兼ね合いもあるので、出願期間が始まったら、何か事情がない限り早めに申請をしてほしい」と言われました。わが家は意思確認も兼ねて「子供本人にやってもらおう」と思っていたので、出願期間開始から2日ほど放置していたところ…朝、学校から電話がかかってきてビックリ。中学校側も大変なのは分かりますが、正直、「何のための出願期間なんだろう」と思ってしまいました。
*編注…’24年度入試での出願期間は1/24~1/31正午で、学校の承認も含めて7日半でした。

それと、基本情報登録時(編注…登録期間は1/4~1/23)には確認した旨の連絡を学校からメールで受け取ったのですが、出願の際には学校からメールでの連絡がなく、心配になり最終日前にネットで確認したら、すでに高校側に出願されていたということがありました。「そこは連絡がほしかったな」とちょっと思ってしまいました。
(ドナデジさん)

学校によって異なる対応

わが子の中学校は確認のため(県の定めた出願期日より)早めに期日を決めていましたが、「個別で連絡をすれば待ってくれる」との対応でした。
手続きについても、学校から詳しい手順のプリントが用意されていたので、困ることなくできました。しかし、他の中学校ではそうしたプリントがないところもあったり、学校によって対応が違うようです。
志願変更はWebですぐにでき、やりやすくなってよかったと思います。
(サリーさん)

ネット出願は、子供にとっては願書を書く手間がなくなり、その分勉強時間が確保できるという点では良かったと思いますが、親にとっては負担が増えました。
また、同じ市内でも中学校による対応がまちまちでした。息子の通う学校では、出願も志願変更も急かされるような感じで、実際の(県が定めた)期限よりも早めに締め切られました。わが家は出願校も早々に確定しており、志願変更の予定もなかったので特に困りませんでしたが、出願先を迷っていたご家庭は困ったのではないかと思います。
(はなこさん)

出願サイトの操作性

ネット出願はとても緊張しました。公立高校のネット出願手順については、学校でも手紙をいただきましたが、自分で(県作成の)マニュアルをダウンロードして確認することが必須でした。
高校説明会の予約もみんなネットだったので、今後もネットの導入は進むんだろうと思いました。
(けんけんさん)

私立高校のネット出願は、高校見学や説明会の申し込みで使用していたものと同じシステムのため、抵抗もなくスムーズにできました。
対して公立高校のシステムは…。うまく言えないのですが、なんだか使いづらかったです。「1年後は改善されていてほしいな」と思う点がいろいろとありました。
(クロックムッシュさん)

出願サイトはスマホから登録しました。顔写真を登録して位置を合わせるのですが、合わせた後に画面下部に進もうとするとうまくいかず、写真の位置合わせがズレてしまい…といった感じで、何度か最初からやり直しに(指でダブルタップしたら下に進めました)。
友人に聞いたところ、「スマホではなく、タブレットでやったらすんなりできた」とのこと。私もそうすればよかったと思いました。
(ymamaさん)

出願に際して気を付けたこと

メモを忘れずに

公立高校のネット出願は、出願から受験料の振込、入学金の振込もすべて自宅でできるので、とても便利でした。
個人情報や出願校情報の登録、出願期間、受験料の振込、入学金の振込と日にちが離れているので、期日を忘れないようにカレンダーに書いていました。
(zooさん)

すべてスマホを使い手続きをするので、間違えずに登録できているか不安もありました。
情報を登録したり、手続きを進める際に都度メールが届くので、きちんと確認するように、またパスワードも忘れないようにメモしておきました。
(サリーさん)

マニュアルをよく確認

写真を撮影する際は、公立・私立のそれぞれで、サイズや背景の色指定などがあります。きちんと確認した方がよいです。
(しーさん)

親子でダブルチェック

間違いがないように、親子でダブルチェック体制をとっていました。相手に任せたりせず、その都度確認しあおうねと約束していました。
(かおりんママさん)