<中学生に聞く>国語の読解問題、心に残った作品は? 春期講習・2年生篇
ステップの講習で取り上げる文章は、問題文を選ぶことから始まります。
まず、選定する担当者が「これは」という作品を選びます。
次に、その著者の方に使用させていただくよう許諾のお願いをいたします。
そして許可を頂けた文章をもとに、教材研究部のスタッフが作問を行います。
こうしてできあがったテキストに、参加した皆さんが「いい文章に出会えてよかった」と言ってくれたら、時間をかけて取り組んだ甲斐があるというものです。
そこで、講習の全日程が終わった後には、多くのスクールで
「どの作品が一番心に残ったか」というアンケートをとっています。
今回は、今年度の春期講習での『読解問題人気ランキング』をご紹介します。
学年ごとにどんな作品が支持を集めたのか、生徒からの感想を掲載いたします。
ステップに通う中学生はどんな作品に触れ、どんな感想をもったのでしょうか?
中学3年生 青春小説 篇
◆中学2年生 歴史小説<戦国> 篇(今回はこちら)
中学1年生 外国文学 篇
中学2年生 歴史小説<戦国時代>篇
2年生から社会科で歴史の授業がはじまることを踏まえ、ステップの講習では、中2生の教材に歴史小説を選んでいます。
春期講習では戦国時代にスポットを当て、5人の人物をとりあげました。
第1位は、織田信長へ反旗をひるがえすに至るまでの明智光秀を描いた『本能寺の変』でした。
第1位 『本能寺の変』(明智光秀)
★授業でとりあげた場面はこちら!
織田信長の重臣・明智光秀は、安土にやってくる徳川家康をもてなす準備を任されていた。家康は信長と同盟関係にある重要人物であり、失敗は許されない。光秀は家臣ともども夜通し働いた。
ところが様子を見に来た信長に、ほとんど何の過失もないのに激高され、家康を迎える大役から外されてしまう。
その後「いま信長を討たんと思う」――腹心たちだけに自らの胸のうちを明かし、出陣。中国地方の毛利軍を攻めるものだと思っていた将兵たちは、京都に向かっていることを不思議がる。桂川を渡り切ると、光秀は全軍に向かって叫んだ。「敵は本能寺にあり!」
織田信長の重臣・明智光秀は、安土にやってくる徳川家康をもてなす準備を任されていた。家康は信長と同盟関係にある重要人物であり、失敗は許されない。光秀は家臣ともども夜通し働いた。
ところが様子を見に来た信長に、ほとんど何の過失もないのに激高され、家康を迎える大役から外されてしまう。
その後「いま信長を討たんと思う」――腹心たちだけに自らの胸のうちを明かし、出陣。中国地方の毛利軍を攻めるものだと思っていた将兵たちは、京都に向かっていることを不思議がる。桂川を渡り切ると、光秀は全軍に向かって叫んだ。「敵は本能寺にあり!」
□■ 生徒の感想 ■□
明智光秀は裏切り者のイメージしかなかったが、光秀なりの事情や考えがあったことが初めて知れてよかった。
人には優しく、そして強く。今の時代に生きたら、カッコよくてモテモテだったんじゃないでしょうか?
明智が本能寺の変を起こした理由が、ドラマで見たのと今学んだことが違い、歴史ってまだ分からないことがいっぱいあるんだなあと興味を持った。
光秀の印象が180度変わった。
本能寺のことは名前だけ知っていたが、内容を詳しく勉強できて、興味を持つことができた。
「本能寺の変」という名前は知っていたけど、それに出てくる人物は知らなかったので楽しかったです。
本能寺の変の流れが一番おもしろかった。
「敵は本能寺にあり」という言葉は有名だったけど、深い内容は知らなかったため印象に残った。
本能寺の変は光秀が裏切って起こった話だと思っていたが、その前にはちゃんとしたストーリーがあって驚いた。
本能寺の変では、今まで明智のみが悪いと思っていたが、明智なりに色々考えていたことが分かっておもしろかった。
明智光秀の違うイメージが持ててよかった。
明智の頭の良さを新たに知った。
明智光秀には裏切ったという悪いイメージしかなかったけれど、今回の文章を読んでイメージが変わった。
光秀がむほんをおこしたのは訳があったのだということが分かった。
本能寺の変の明智光秀はただ天下が欲しくて織田を倒したと思っていたので、そこのところを知れてすごく印象に残っているし、すごくよかったと思う。
明智は悪者だと思っていたがこんなに思いやりのある人だとは思わなかった。「一人一人が主人公」という言葉が心にしみた。
今まであまり印象がなかったですが、実は家来思いだったりと今まで知らなかった明智光秀の良いところが分かった。
明智光秀には悪いイメージしかなかったが、優しい男だと思った。もっと知りたくなった。
明智はこれまであまり良い印象はありませんでした。しかし、今回の授業で織田が狙われるのも分かるかなと思いました。
明智光秀が怒り、むほんを起こしたことに共感できたし、印象に残った。
光秀の一生をもっと詳しく知りたいと思った。
学校では教えてもらえないこともあってすごくおもしろかったです。ある芸人さんが本能寺の変のことを歌っていて、知っている部分もあったけど、その中でも知らなかったことがたくさんあってたくさん学べたし、一番読んでいて楽しかったです。
なんで明智は本能寺で織田を追い詰めたのか知らなくて、ずっと疑問に思っていたけど、今回の授業ですごく分かった!
本能寺の変についてもっと知りたくなった。
明智光秀がなぜ信長を討ったのか気になるので、本人に聞きたい。
本能寺の変が起きたわけなどを考えるのはおもしろいと思った。
第2位 『真田幸村 風雲!真田丸』(真田幸村)
★授業でとりあげた場面はこちら!
豊臣と徳川の最後の戦い「大阪夏の陣」が舞台。
豊臣軍が劣勢にある中でも、最後まで戦い抜くと決めていた真田幸村。豊臣秀頼に出陣をうながすため、息子の大助を大阪城へ送ろうとする。しかし息子は、父が討ち死にするときは共にいたい、と泣いて拒否。「死なば、冥土で逢おう。」父は子に別れを告げた。
幸村の計画もむなしく、秀頼が出陣することはなかった。覚悟を決めて、幸村軍は敵陣へと向かう。家康のいる本陣めがけて一直線に突撃し、あと少しというところまで追い詰めたのだった。
徳川の大軍に襲われた幸村は、しずかに目を閉じ、涙を流して死んでいった。
豊臣と徳川の最後の戦い「大阪夏の陣」が舞台。
豊臣軍が劣勢にある中でも、最後まで戦い抜くと決めていた真田幸村。豊臣秀頼に出陣をうながすため、息子の大助を大阪城へ送ろうとする。しかし息子は、父が討ち死にするときは共にいたい、と泣いて拒否。「死なば、冥土で逢おう。」父は子に別れを告げた。
幸村の計画もむなしく、秀頼が出陣することはなかった。覚悟を決めて、幸村軍は敵陣へと向かう。家康のいる本陣めがけて一直線に突撃し、あと少しというところまで追い詰めたのだった。
徳川の大軍に襲われた幸村は、しずかに目を閉じ、涙を流して死んでいった。
□■ 生徒の感想 ■□
真田の、前に進もうとする姿勢が印象に残った。幸村の言うことはどの発言も名言のようでメッセージ性が強く、格好いいと感じた。
「真田丸」とはどういうものなのか知ることができた。真田幸村はすごい人だと思った。
「天には、ときがある」の部分が幸村っぽい言葉だなと思った。
六文銭の意味が分かってよかった。
赤い鎧の意味、生い立ちはあまり知らなかったので勉強になった。
テレビで「真田丸」を観ていたから、だいたい真田幸村は知っているつもりだったけれど、家族で敵味方で戦わなくてはならないのがつらいと思った。
幸村の夏の陣のシーンが迫力があって、すごくかっこよかった。
何度誘われても絶対に動かない心と、目標に向かってまっすぐ進んでいく姿がとてもかっこよく印象に残っています。
真田幸村の自分の信念を曲げないところがいいな、と改めて思った。
たとえ兵の数が少なくても最後まであきらめないで戦うところがかっこよかった。
真田の家康を倒しそうになるまでのところが興味を持った。
幸村が最後まで力強く戦う姿をイメージして、かっこいいなと思った。
真田幸村が火のように攻め、家康に迫ったシーンが印象的だった。結果は負けだったが、真田の勇気ある戦に感動した。
恐れずにまっすぐ突き進んでいく幸村の姿がかっこよかった。
真田のような男に生まれ変わりたい。
大河ドラマの真田丸を見ていたので、そのときの記憶が蘇った。
真田幸村はドラマを見ていたけど、文章で読むほうが伝わってくるものがたくさんあった。
最初はよく分からなかったけれど、最後に行くにつれて内容がよかった。
真田幸村の最期が印象に残った。
真田幸村が死んでしまったのは悲しい。今までこういう文章はなかったからまたやってほしいです。
真田幸村がかっこよすぎです! 大好きになりました。
真田の心の誠実さが印象に残った。
幸村の戦い方がうまいと思った。幸村のように、どんな状況でも恩を裏切らない人になりたいと思った。
真田は学校でもあまり知る機会がなかったので、春期講習でのいろいろな話の中で知ることができてよかった。
授業で真田幸村について学んだことはないけれど、この話を読んで、難しいと分かっていてもあきらめずに戦っていることが分かり、まっすぐな人だと思いました。とてもよかったです。
幸村と家康のどちらが勝ってもおかしくなく、幸村たちがこの戦いで勝っていたら今の僕たちはどうなっていたのかと思うと非常におもしろかった。
真田幸村についてもっと知りたい。
真田幸村を2回に分けて細かく扱ってほしいと思った。幸村のお父さんの話も知りたくなった。
幸村の子供はどうなったのか知りたい。
逆に家康の戦の状況が知りたい!
真田の話を読んでいたので、家康の話も読みたくなった。
第3位 『武田信玄と上杉謙信』(上杉謙信)
★授業でとりあげた場面はこちら!
武田信玄の死を知った上杉謙信。敵ながらも幾度の戦いのなかで絆を感じていた謙信は、臣下に武田攻めを勧められても動かなかった。義のない戦はできない、と。
その頃より、謙信と同盟関係にあった信長が台頭していった。織田三万の軍勢が越前に迫るも、あっさりと打ち破った謙信。
「いずれ、信長とは、大決戦のときがくる。」そのときを心待ちにしていた謙信だったが、病に倒れこの世を去った。
武田信玄の死を知った上杉謙信。敵ながらも幾度の戦いのなかで絆を感じていた謙信は、臣下に武田攻めを勧められても動かなかった。義のない戦はできない、と。
その頃より、謙信と同盟関係にあった信長が台頭していった。織田三万の軍勢が越前に迫るも、あっさりと打ち破った謙信。
「いずれ、信長とは、大決戦のときがくる。」そのときを心待ちにしていた謙信だったが、病に倒れこの世を去った。
□■ 生徒の感想 ■□
義のない戦いはしないのはさすが「義の漢」上杉謙信! かっこいいなと思いました。
これまで持っていたイメージと違って優しい人だったんだなと思った。
謙信の人柄についてくわしく知れた。
男らしくてかっこいい。
謙信の義を貫くが印象に残っている。
「義のない戦はできない」がかっこいい。
漢の中の漢でかっこいいと思った。
「義」の男、上杉謙信のことはきっと忘れないと思います。
謙信の重んじる「義」について知ることができてよかった。
「義」をもっているのが本当の「漢」だと思った。
武田信玄と上杉謙信は何回も戦っていて、憎みあっているのと思っていたが、「絆」があったことに驚いた。
上杉謙信が武田信玄に友情的なものを感じていたところに驚いた。2人は敵同士という印象しか無かったので知れてよかった。
上杉謙信と武田信玄の敵同士ながら絆を感じているところがよかった。
武田と上杉はずっと仲が悪いと思ってたけど、義のない戦はできないなんて戦国の時代はそんなこと考えないと思ってました。それほどいいライバルだったんだなと思いました。
上杉謙信が武田信玄の死後に信玄の国を攻めなかったのがめっちゃかっこよかった。まさに「漢」のなかの「漢」!
歴史は苦手だったけど勉強になった。
第4位 『織田信長 炎の生涯』(織田信長)
★授業でとりあげた場面はこちら!
今川義元・二万五千の軍勢を、たった三千人の織田信長が破った「桶狭間の戦い」が題材。
籠城を勧める重臣たちをおさえ、戦う覚悟を決めた信長。自身の居場所をあざむくために熱田の人々に旗を持たせ、大将の義元を探す。一方、義元は勝ちを疑うこともなく、田楽狭間という窪地で休息をとっていた。その知らせを受けた信長軍は、怒涛の勢いで田楽狭間に攻め込み、見事、義元を討ち取るのだった。
今川義元・二万五千の軍勢を、たった三千人の織田信長が破った「桶狭間の戦い」が題材。
籠城を勧める重臣たちをおさえ、戦う覚悟を決めた信長。自身の居場所をあざむくために熱田の人々に旗を持たせ、大将の義元を探す。一方、義元は勝ちを疑うこともなく、田楽狭間という窪地で休息をとっていた。その知らせを受けた信長軍は、怒涛の勢いで田楽狭間に攻め込み、見事、義元を討ち取るのだった。
□■ 生徒の感想 ■□
桶狭間の戦いというワードだけだと、勝ち負けや武器などわずかな部分しか習わないけど、どういう風に信長が今川軍に攻め入ったのかなど詳しく知ることができておもしろかった。
織田信長が好きなので、行動一つひとつを知ることができてよかった。
少ない人数で大人数を倒すところがおもしろかった。
三千人で向かっていく強さと勇気にほれました。案外歴史嫌いじゃないかも。
織田軍が今川軍を倒す様子が鋭く描かれていて、自分もその場にいるように感じた。
織田信長がかしこい頭で勝ったのがおもしろかった。
信長は馬鹿なふりをしていて本当はすごく頭がいい人だった。
信長が戦法などを工夫して戦に勝ち、天下統一へと進むところが興味深かったです。
織田信長が最初はとても小さな大名だったというのを知って驚いた。作戦や武器は大切だと思った。
今川戦での戦略がすごくおもしろいと思った。
うつけと言われているのにもかかわらず、誰も予想できない攻め方をしてすごいと思った。
相手が強くてもあきらめずその相手が油断している部分を狙って倒すのがすごいと思いました。
信長の策はすごいと思った。
三千の兵だけでよく今川軍に勝てたなと思った。そういう勇気が自分にもほしいなって思った。
織田信長は歴史上の人物でもっとも好きだったが、さらに興味をもてた。
信長がどんな人物だったのか、もっと詳しく知りたい。
織田信長目線の話だけでなく、今川義元についての話も知りたくなった。
第5位 『備中高松城攻め』(豊臣秀吉)
★授業でとりあげた場面はこちら!
秀吉は備中高松城攻略の真っ最中。城が落ちるのも時間の問題だったが、主君である信長が明智光秀に殺されたと知る。前方の毛利軍、後方から迫る明智軍に挟まれると悟った秀吉は、窮地を乗り越えるため、信長の死を隠して和睦の交渉に打って出る。
毛利方から出された条件は、高松城を救うこと。しかし秀吉はあくまで強い姿勢を崩さず、この条件を受け入れない。城中の人々を、そして毛利家を守るため、高松城主・清水宗治は切腹を決意する…。
秀吉は備中高松城攻略の真っ最中。城が落ちるのも時間の問題だったが、主君である信長が明智光秀に殺されたと知る。前方の毛利軍、後方から迫る明智軍に挟まれると悟った秀吉は、窮地を乗り越えるため、信長の死を隠して和睦の交渉に打って出る。
毛利方から出された条件は、高松城を救うこと。しかし秀吉はあくまで強い姿勢を崩さず、この条件を受け入れない。城中の人々を、そして毛利家を守るため、高松城主・清水宗治は切腹を決意する…。
□■ 生徒の感想 ■□
戦の最中に和睦をする豊臣秀吉と、その条件で首が必要だということ、それを普通に切腹しろという秀吉と、それを名誉と心得る清水宗治が印象に残った。
清水宗治が笛の音を奏でてこの世に別れを告げて切腹していくところがすごいなと思った。自ら切腹するなんてすごい勇気のいることだと思う。だから、今の人と昔の人を比べると昔の人のほうが意志が強く、勇気がありそうだなと思った。歴史って深くておもしろいなと思った。
秀吉の頭の良さ、清水宗治の心根のまっすぐさは自分にもほしい。
秀吉の案がすごかったし、自分の命を義のために落とすことができる覚悟もかっこよかった。
本能寺の変を知った秀吉の策略がおもしろかった。秀吉だからこそできることだと思った。
思いもよらない作戦をたてるところがよかった。
秀吉の策がすごい。印象に残った。
備中高松城の攻略がとてもわくわくした。
毛利攻めの話はあまり知らなったので、水攻めしたことなどの細かいことも知れてよかった。
秀吉の死んだ人も利用して敵をあざむく姿に感銘を受けた。
清水宗治の生きざまがすばらしいと思った。
清水さんがすごくかっこよかったです。
清水宗治の切腹のシーンが印象的だった。
城が水没してしかもその水の上で切腹するのがすごいと思った。
清水宗治と弥左衛門が自ら切腹するのが印象強かった。またかっこよかったです。
他の人を守れるなら自分は死んでもよい、というのが驚いた。豊臣秀吉についてもっと知りたい。
清水宗治が義のために死ぬことを名誉として死んでいった話が印象に残った。自分だったら義のためでも死にたくはないから。
死ぬ前の歌や踊り、自分が死んでも良いと言ったり、敵までも泣かすのはすごいと思った。
敵も味方も涙を流しているのが印象的。
***
次回は、中学1年生の読解ランキングをお送りいたします!
中学1年生は外国文学を扱いました。ちょっと不思議なストーリーの数々に、生徒たちはどんな感想をもったのでしょうか?