<中学生に聞く>国語の読解問題、心に残った作品は? 春期講習・3年生篇
ステップの講習で取り上げる文章は、問題文を選ぶことから始まります。
まず、選定する担当者が「これは」という作品を選びます。
次に、その著者の方に使用させていただくよう許諾のお願いをいたします。
そして許可を頂けた文章をもとに、教材研究部のスタッフが作問を行います。
こうしてできあがったテキストに、参加した皆さんが「いい文章に出会えてよかった」と言ってくれたら、時間をかけて取り組んだ甲斐があるというものです。
そこで、講習の全日程が終わった後には、多くのスクールで
「どの作品が一番心に残ったか」というアンケートをとっています。
今回は、今年度の春期講習での『読解問題人気ランキング』をご紹介します。
学年ごとにどんな作品が支持を集めたのか、生徒からの感想を掲載いたします。
ステップに通う中学生はどんな作品に触れ、どんな感想をもったのでしょうか?
◆中学3年生 青春小説 篇(今回はこちら)
中学2年生 歴史小説<戦国> 篇
中学1年生 外国文学 篇(近日公開予定)
中学3年生 青春小説 篇
上記はいずれも生徒と年齢が近い10代の少年少女を主人公とした物語ですが、
1位に輝いたのは、吹奏楽部に所属する少年の失恋を描いた『晴天のきらきら星』でした。
第1位 関口尚『晴天のきらきら星』
高校二年生の「ぼく(三宅)」は、吹奏楽部の部長である涼香先輩に恋をしている。涼香先輩が「天体望遠鏡を持った男の子と学校の屋上に忍び込んで星座を眺めるのって、素敵だと思わない?」と言うのを聞いた「ぼく」は、早朝アルバイトでお金を貯めて望遠鏡を注文。先輩から「いまはコンクールで頭がいっぱいだから恋愛なんて考えられない」という言葉を聞き出すこともでき、コンクールが終わったら涼香先輩に告白しようと決意する。
ところが、いざコンクールが終わり先輩たちの引退が決まった日、「ぼく」は衝撃を受ける。涼香先輩が、同じ吹奏楽部の水垣先輩とひそかに付き合っていたことをみんなに報告したのだった…。
出典は日本文藝家協会編 『短篇ベストコレクション 現代の小説 2013』(徳間文庫)。なお、2019年度版も6月11日に発売されています。
□■ 生徒の感想 ■□
第2位 森絵都『永遠の出口』
高校生になり、念願のアルバイトを始めた「私」。<ラ・ルーシュ>…フランス語で「蜜蜂の巣」を意味する小さな欧風レストランでの仕事は、とても充実したものだった。気の良いおじさんだけれど料理の腕はピカイチの森住さん、ホールのアルバイトとしてしなやかにきびきびと働く円さんほか、年上のバイト仲間たちとも仲良くなり、甘い蜜のような時間を楽しんでいた。
しかし、「私」が学校の文化祭のために一週間ほどバイトを休んで戻ってくると、店の様子がおかしい。アルバイトから社員に昇格したメンバーによって、お店のルールが締めつけの厳しいものに変わってしまったのだ。
出典は森絵都さんの長編小説『永遠の出口』(集英社文庫)。今回抜粋されたエピソードをはじめとして、「私」の小学3年生から高校3年生まで、9年間が描かれています。
□■ 生徒の感想 ■□
第3位 豊島ミホ『檸檬のころ』
東京の大学へ進学するため、東北の田舎を発つことになった加代子。出発前夜、いつもと同じ家族の様子にちっとも実感がわかなかったが、東京へ行った兄のことを思い出したり、さみしそうな両親の会話をふいに聞いてしまったりして、旅立ちの実感がつのっていくのだった。
そして出発の朝。加代子はいつもの駅で、同級生の佐々木くんと別れのあいさつをする。ふさわしい言葉が思いつかなくて、とまどう二人。けれども、電車の発車時刻は近づいて…。
出典は豊島ミホさんの『檸檬のころ』(幻冬舎文庫)。山と田んぼに囲まれた田舎の高校を舞台に、さまざまな生徒や先生を描いた連作短編小説です。
□■ 生徒の感想 ■□
第4位 橋本治『角ざとう』
康頼は小学校6年生のころ、テレビで『ロッキー』を観て「ロッキーになりたい」という思いを抱いた。
卒業後に父親の許可も得てボクシングジムの扉を叩くも、そこのオヤジさんに「まだ体が出来てない」と断られた康頼。中学の陸上部で淡々と「体作り」に励んだのち、オヤジさんの許可をもらってジムで鍛えはじめる。高校からは部活でもボクシングの練習を重ね、着々と強くなっていき…。
出典は橋本治さんの『つばめの来る日』(角川書店)。『角ざとう』ほか9篇を収録した短編集です。
□■ 生徒の感想 ■□
第5位 あさのあつこ『晩夏のプレイボール』
高校野球部3年生の律と真郷(まさと)は、甲子園出場最後のチャンスをかけて、地区予選の準決勝を戦っている。試合終盤、4点差という逆境に立たされた律は、チームメイトの真郷と出会ったころを振り返る。
隣町の少年野球チームのメンバーとして出会った2人。小学生のころ、偶然出くわしたときに真郷がかけてくれた何気ない言葉で、律は一度やめかけていた野球を続けることができた。そんな幼なじみのために一回でも多く勝ちたかったけれど、もうここまでだ、と負けを覚悟する律。でも、真郷はまだ諦めていなかった。9回の裏、4点差、ツーアウトの局面でヒットを放ち、打線をつなげた真郷。おれたちの夏はまだ終わっていない、と律は心の奥でつぶやいた。
出典はあさのあつこさんの短編集『晩夏のプレイボール』(毎日新聞社)。野球を愛する人たちが挑む、それぞれの「夏の甲子園」が描かれています。
□■ 生徒の感想 ■□
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次回は、中学2年生の読解ランキングをお送りいたします!
中学2年生は、戦国武将を取り上げた歴史小説からの出題でした。生徒の人気を集めたのは、どの人物だったのでしょうか?
ステップ(STEP)はこんな塾です
*ステップのスタンスや特長を公式サイトでご紹介しています。
(以下、一部を抜粋)
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