【高校受験】志望校はいつまでに決めればいい?(動画書き起こし)
私立高校(併願確約校)の志望校決定のリミットは?
では、私立高校についても考えていきましょう。まずは併願確約校について。
「確約」という言葉自体がちょっと聞き慣れないという方もいらっしゃると思うので、このシステムについてお話しします。
まず9月以降に各私立高校から、主に内申点を中心とする、合格するために必要な基準が発表されます。例えば「内申は37/45 以上、なおかつ欠席は20日以内」とかですね。
高校ごとにその基準は違ってくるんですよね。
はい、そうですね。そして、同じ高校でも年によって基準が変わることもあります。
この基準をクリアしていれば、合格を約束していただけるというのが、神奈川県の併願確約のシステムです。
一応、形式的に試験も受けますが※、基準をクリアしていれば、まず不合格になることはありません。
(※入学試験を行わない、書類選考のみの高校もあります。)
ちょっと心配なのですが…。もし本番の試験で失敗してしまった場合、不合格になることはないんですか?
ここは気になりますよね。毎年生徒にも聞かれます。では、実際の例を見ていきましょう。
以下は、桐蔭学園高校(アドバンスコース)の2024年度の併願確約入試の結果です。
募集定員が160人のところに、受験生が1771人。
まさか、倍率が10倍を超えているということですか!
ところが、実際には全員合格しています。
併願確約では、例えば試験中に試験監督の先生の指示にまったく従わないとか、他の生徒とトラブルになるとか、テストを全部白紙で出すとか…そういうことがなければ、基本的には合格になります。これが併願確約の仕組みです。
併願確約ほか、私立高校入試の詳しい仕組みはこちらをどうぞ
では、この併願確約の高校、いつまでに決めたらいいですか?
こちらは先ほども見ていただいたスケジュールです。
私立高校の入試は、2月10日から各高校で始まります。
では、先ほどの公立高校と同様、2月の上旬ごろに出願先を決めるのでしょうか?
いえ、実は11月末~12月中旬の三者面談で決めるんです。
随分早いんですね!
先ほど、併願確約校は内申点を中心とした基準で決まるとお話ししましたよね。
三者面談の時点で内申点が決まっていますから、すでにどの私立高校に合格できるのか分かっているわけです。
確かにそうですが、自分の内申で基準を満たす高校は複数ありますから、もう少し考える時間が欲しいなと思ってしまいます…。
ただ、そうはいかない理由があるんです。それが「教育相談日」、あるいは学習相談日と言われるシステムです。
例年12月15日前後に、中学の先生が各高校へ、自分の中学から併願確約を希望する生徒の資料を提出します。
それを高校の先生がチェックして、基準を満たしていれば、合格の確約がいただけるというシステムなんです。
だから三者面談の段階で、希望する高校を中学校の先生に伝える必要があります。
ですから、遅くとも12月15日より前に決め、中学校に伝える必要があるということです。
なるほど。この内申が決まってから、中学校の三者面談までは本当に数日しかないですから、この時期に志望校を検討するのは難しいですよね。
そして11月中は定期テストがあるので、そこに集中したいですよね。
ですから私立の併願校については、1学期や前期の内申を参考に、9月や10月中に受験校を検討しておく必要があります。
ちょうどこの時期、学校説明会も盛んに行われていますしね。
ええ。そして、12月の内申が
・上がった場合
・変わらなかった場合
・下がった場合
それぞれのケースを想定して、最低2~3校は受験候補となる高校を準備しておきましょう。
そうすれば、11月はもう入試対策に集中できます。
ある程度、9月、10月中に説明会などに行っておいた上で、候補を揃えておいて、中学校の三者面談で決定した内申を元に決めた学校を先生に伝えるということですね。
私立高校の検討については、早めに動いた方がよさそうですね。
はい。納得のいく私立併願校の確約が取れると、第一志望の公立校の勉強に対しても、精神的に落ち着いて取り組むことができますし、公立校は思い切ってチャレンジしようという受験もできますので、私立併願校選びは非常に大切です。
説明会にも足を運んで、カリキュラムや校風だけではなく、本当に3年間そこに通いきれるイメージが湧くかというところも見てきてほしいですね。
私立高校(オープン入試)の志望校決定のリミットは?
最後に、私立高校のオープン入試の場合について。
オープン入試というのは、内申点は一切見ずに、当日の試験の得点だけで合否が決定する入試です。
併願確約校の多くでオープン入試も実施していますので、確約基準の内申に足りなかった生徒も、そのオープン枠でその高校を受験するチャンスがあります。
なかには併願確約の枠はなく、受験枠としてはオープン入試と推薦のみという学校もありますよね。
そうですね。例えば、桐光学園や、慶應義塾高校などの早慶附属校がそのタイプです。
開成高校のように推薦の枠もなく、オープン入試枠のみの学校もあります。
では、オープン入試の志望校決定時期について見ていきましょう。
私立オープン入試の日程は、2月10日~12日の3日間に集中しています。先ほどの併願確約の学校の入試とほぼ同じタイミングです。
ということは、やはり先程と同じように、11月下旬~12月中旬の三者面談のタイミングで志望校を決める必要がありますか?
いいえ、オープン入試についてはそうではないんです。
併願校は「教育相談日」があるので、このタイミングがタイムリミットでした。
しかし、オープン入試は内申点は一切見ない選考ですので、この相談を通す必要がないんです。
出願期間に合わせて、きちんと出願手続きが間に合えば大丈夫です。
同じ私立高校でも、受験枠によってリミットが異なるんですね。
では、いくつかオープン入試の出願期間の具体例を見ていきましょう。
Webでの出願なんですね。
はい、最近はほとんどの高校がWeb出願になっています。
ただ「Webで手続きをして終わり」ではなく、その後必要な書類を郵送する必要があります。
横浜創英高校の場合、出願期間の最終日の翌日から2月4日までの郵送(消印有効)になっていますね。
ということは、オープン入試の受験校の決定のタイミングは、その学校の出願期間の最終日ということでしょうか?
それが必ずしもそうではないんです。
法政大学第二高校の例を見てください。試験日は横浜創英と同じ2月11日ですが、出願期間は結構遅めになっています。
出願期間が2月3日までで、書類郵送の締切も同日の消印有効となっていますから、出願するかどうかは2月3日までに決めればよさそうですが…。
実はそれだとちょっと危険なんです。
高校によって若干の違いはありますが、ほとんどの高校の場合、必要書類として調査書を郵送しなくてはならないんです。
調査書というと、中学校での成績などが書かれている書類ですよね。
この調査書を、事前に中学の先生に書いていただく必要があるんです。
横浜創英の場合は、Web出願の締切から郵送の締め切りまで少し日数があるため、問題はないのですが、
法政二高の場合は、出願の最終日の2月3日に受験を決めても、そこから中学の先生にお願いして調査書を書いてもらうというのは、時間的にはなかなか厳しいですよね。
時間帯によっては先生もお忙しくて、調査書を記載する時間が取れない可能性もありますね。
ということで、出願期間だけではなく、書類の郵送期限にも注意が必要です。
手続きにかかる時間も考えた上で、受験校を最終決定してください。
動画でわかる 高校入試Q&A
学習塾ステップ公式YouTubeチャンネルで、「高校入試、ここが知りたい!」と題し、神奈川県の公立高校入試や、私立高校入試についてよくあるご質問にお答えしています。ぜひご覧ください。
公立高校編 再生リスト
●2024年度入試からの変更点(面接一斉実施の廃止・第2次選考での観点別評価の得点化について)
●志望校はいつまでに決めればいい?
●「出願や志願変更は期間内なら問題なし」教育委員会担当者が明言
●学芸大附属高校に合格したら公立は受けられないの?
●志願変更の仕方は? 学力検査を受検できなかったら?(追検査について)
私立高校編 再生リスト
●神奈川県の私立高校入試の仕組み
●神奈川と東京の私立入試制度は何が違う?(併願確約と併願優遇の違い)
●専願確約や併願確約は本当に不合格にならない?
●推薦・併願確約等の加点について
●法政第二・法政国際・中大横浜の高校入試(内申点の上位順に決まる選考方式)について
●併願確約と併願優遇・オープン入試は併用できる?