秋がくれた現実

ステップの教師・スタッフには野球ファンが多数います。今回は、そんな野球ファンの先生から寄せられた「野球話」です。

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一昨年、昨年と横浜DeNAベイスターズが3位から躍進し、特に昨年は日本シリーズ進出を成し遂げました。昨年の今頃は横浜スタジアムで19年ぶりの日本シリーズが行なわれていたわけです。それを思うと、今シーズンの4位は大変残念な結果となりました。2年連続でクライマックスシリーズ(以下CS)進出の瞬間を横浜スタジアムで見てきましたが、今シーズンはCS消滅の瞬間を神宮球場で見てしまいました。ヤクルト戦には勝ちましたが、巨人が阪神に勝ったため、4位が決まりました。勝ったのに虚しくなってしまった経験は、あまりありません。今年はあと1歩で、CSに届きませんでした。
もちろん悔しさはあります。一昨年は東京ドームを青で埋め尽くし、マツダで魂の1勝をあげ、昨年は巨人とのデッドヒートを勝ち抜き、泥だらけの甲子園で戦士になり、マツダで破竹の4連勝。そして土俵際から押し返し、最後は華々しく散った日本シリーズ。色々なドラマがあり、そのどれもが経験になり、得られるものがあったわけです。

今シーズンは終盤に入った時点で、巨人とのゲーム差はかなり開いており、それをひっくり返すには奇跡が必要かと思われました。ですが、短期決戦采配に切り替わってから、その巨人をあと1歩まで追い詰めることができました。振り返ってみて、CSが確実に遠のいたのは、9月28日の東投手と菅野投手のエース対決で敗れた時点だったと思います。痛恨のサヨナラ負け。直接対決で負けてしまったことがすべてでした。CSは厳しいという覚悟を固めながらも一縷の望みを捨てきれないまま、甲子園やマツダ、そして神宮へと向かいました。序盤から主力投手が何人も欠け、野手の選手層が薄いことも露呈し、必要な時に1点をもぎ取るという課題も克服できないままだった今シーズンは、Bクラスでも仕方ないと思えたシーズンだったのかもしれません。昨年の快進撃の裏で、実は見えない疲労や見えない慢心を抱えていたんだろうと思います。監督とコーチの関係さえギクシャクしたのですから、今シーズンのBクラスは必然だったのかもしれません。

シーズンを終えて、なぜかほっとした気持ちでいるのも事実です。実力以上の勝利を期待し続けることに疲れてしまったのかもしれません。先輩と「また負けたのかぁ」とうなだれ合うこともなくなり、やはりほっとしています(笑)。今シーズンは、昨年のような喜びは皆無です。悔しさ、情けなさ、これらを得ることしかできませんでした。決して無駄なシーズンではなかったと思います。そう信じたいです。

来シーズンは運にも奇策にも頼らない、本当の意味で優勝を目指してもらわなければなりません。そのための準備は、もう始まっています。凡事徹底。当たり前のことを本気でやるキャンプにしてもらいたいです。徹底的に鍛えぬいて、徹底的に準備してもらいたいです。兎にも角にもベイスターズの弱点は打線です。実は投手ではありません。先発の離脱が最小限に留まっていれば、確実にAクラスでした。中継ぎも非常によく頑張ったと思います。ホームランでしか点が取れない打線。6番以降がまったく脅威にならない、線にならない状況を打破しないといけません。キーマンは梶谷選手、桑原選手です。やはり梶谷選手がいないと厳しいですし、桑原選手が本調子でないと話になりません。5月中旬に実現した梶谷→ソト→ロペス→筒香→宮﨑の1~5番を軸に、桑原→伊藤→大和の質を上げてくれさえすれば、6番問題も解消され打線になるのです。先発については、新人王最有力の東投手や今シーズン頑張った平良投手や京山投手という若い力がいます。もっと直球の質を良くして、台頭してもらいたいです。出れば打たれる石田投手、今永投手は、もっと線を太くしてもらいたいですね。小手先で変化球の取得にはしるのではなく、先発としての本質、ただその1点を強化してほしいです。
昨年とは違い、CSさらには日本シリーズに出場するチームに比べて、それだけ早くに来季への準備を始められるというアドバンテージを得たのですから、とことん準備してほしいと思います。

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