ステップ経営Q&AQUESTION & ANSWER

株主や投資家の皆さんからよくお寄せいただくご質問にお答えします。

Q私立中学受験の分野に参入する計画はありますか?

ありません。

私立中学受験の分野は高校受験や大学受験とは区別されるオリジナルな分野です。例えば、中学から高校の6年間の数学は体系的な学問としての数学の一部ですが、私立中受験の算数は職人芸的な独特の切り口が必要な分野です。ステップは高校受験と大学受験をターゲットに絞り、その分野に時間とエネルギーをつぎ込んで「専門性が高い、良質の授業とシステム」を提供していこうという方針です。

Q神奈川県以外に進出する計画はありますか?

当面はありません。

高校入試は各都道府県によって入試方式等が異なっています。私たちは神奈川県のシステムに精通し、人的資源も神奈川県に集中することによって、この地域に深く食い込んだ専門性を身につけていきます。24年10月現在、中学部、高校部、個別指導部門、学童部門を合わせ神奈川県内に166スクールを展開しています。現状、スクール数は増えてきているものの、川崎市や横浜市の一部において、未展開のエリアや十分に展開できていないエリアも多く残っています。今後、川崎市と横浜市に戦略的に注力し、強力なスクールネットワークを形成していくことは、当社にとって10年掛かりの大きな取り組みになっています。
市町村別校舎数データ

Q神奈川県のネットワークが完成したらその後はどうしますか?

ゆっくり考えていきますが、校舎の授業の質を恒常的に高め、設備を更新・改善し、授業の質をさらに向上させ、後進を育成し…、私たちの仕事を深掘りしていくためにやるべきことは山積しています。

Q校舎拡大のペースアップは考えていませんか?

ステップは年間4~5校程度のゆるやかな開校と拡大を基調にしています。校舎の急激な展開は、既存校の授業やシステムの質の低下を招く原因となりかねません。内部の人材を育成し、それに伴って着実に校舎を展開していく、それが基本的なスタンスです。

新規開校数

回次 決算年月 新規開校数
第42期 2020/9 4
第43期 2021/9 3
第44期 2022/9 4
第45期 2023/9 5
第46期 2024/9 4

Q今後の業績についてはどのように考えていますか?

上記のような方針から、当社の場合、ある年の収入(売上)が前年度に比べ一挙に20%とか30%伸びるという風な急激な増収は考えにくいですし、実際過去においてもそうでした。しかしながら、地域での信頼を高めることを基本とし、在塾生や保護者、そしてOB・OG生等の口コミによる評判に支えられていければ、急激な失速も考えにくいと思われます。業績や成長については「ゆっくり急ぐ」という方針で臨んでいます。

売上高の推移(直近10年)

回次 決算年月 売上高
(百万円)
前期比
(%)
第37期 2015/9 9,606 105.5
第38期 2016/9 10,176 105.9
第39期 2017/9 10,564 103.8
第40期 2018/9 11,033 104.4
第41期 2019/9 11,592 105.1
第42期 2020/9 10,927 94.3
第43期 2021/9 13,036 119.3
第44期 2022/9 13,653 104.7
第45期 2023/9 14,442 105.8
第46期 2024/9 15,098 104.5

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42期は新型コロナウイルス感染症が拡大した時期に授業料の一部返金を実施しました。その影響による減収がありました。

Q配当政策の考え方について説明してください。

ステップは45期(2023年9月期)より、「30%を目安」としている配当性向を「50%を目安」に引き上げています。下にここ10年間の配当実績についてのデータを掲載いたします。

配当の状況(直近10年)

回次 決算年月 1株当たり配当金(円) (うち中間配当額) 配当性向(%)
第37期 2015/9 26.00 (12.00) 29.1
第38期 2016/9 30.00 (14.00) 29.9
第39期 2017/9 33.00 (15.00) 29.8
第40期 2018/9 34.00 (17.00) 30.3
第41期 2019/9 38.00 (19.00) 32.2
第42期 2020/9 40.00 (20.00) 49.2
第43期 2021/9 45.00 (20.00) 30.1
第44期 2022/9 46.00 (23.00) 29.6
第45期 2023/9 72.00 (24.00) 49.4
第46期 2024/9 77.00 (37.00) 49.5

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また、上記配当に加えて、37期(2015年9月期)より株主優待制度を導入いたしました。現在の優待制度の内容は以下の通りです。

優待制度

継続保有期間 保有株式数
100株以上500株未満 500株以上1,000株未満 1,000株以上
6か月未満 クオカード 500円 クオカード 1,000円 クオカード 1,500円
6か月以上1年未満 クオカード 1,000円 クオカード 2,000円 クオカード 3,000円
1年以上2年未満 クオカード 1,500円 クオカード 2,500円 クオカード 3,500円
2年以上 クオカード 2,000円 クオカード 3,000円 クオカード 4,000円

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基準日は毎年9月30日の年1回です。

継続保有期間とは、100株以上の株式を取得したことが株主名簿に記載または記録された日から基準日まで継続して保有した期間を言います。

6ヶ月以上継続保有とは、基準日時点で毎年9月30日、3月31日現在の株主名簿に同一番号で継続して2回以上記載または記録されていることが条件になります。

1年以上継続保有とは、基準日時点で毎年9月30日、3月31日現在の株主名簿に同一番号で継続して3回以上記載または記録されていることが条件になります。

2年以上継続保有とは、基準日時点で毎年9月30日、3月31日現在の株主名簿に同一番号で継続して5回以上記載または記録されていることが条件になります。

Q利益構造については、どのように考えていますか?

ステップの経費の構造は、販管費が低く、なかでも広告宣伝費の比率が低いことが特徴です。ステップの講師陣の95%以上は正社員講師です。教える現場では何よりも授業とシステムの質を大事にしていきます。原価のメインである教師の人件費は、積極的な投資と考えています。一方、本部や販管部門はIT化を積極的に進め、「ヘリコプター型」の「機動的に動ける小さな本部」にしていくスタンスです。募集は何よりも口コミと地域での評判を原動力にしています。塾としての信用・信頼を大事にし、広告媒体はチラシとHPに絞り、広告宣伝費を過剰に使わない。こういう方針を実践してきた結果、1995年の店頭公開以来、販管費と広告宣伝費の比率が下記のように低下してきました。これがステップの利益構造の特徴と言ってよいと思います。

販管費率・広告宣伝費比率の状況
(対売上高)

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回次 決算年月 販管費率
(%)
広告宣伝費率
(%)
第17期 1995/9 15.5 4.0
第18期 1996/9 16.0 5.7
第19期 1997/9 14.7 5.3
第20期 1998/9 13.3 4.6
第21期 1999/9 11.4 5.2
第22期 2000/9 12.8 6.3
第23期 2001/9 10.4 4.5
第24期 2002/9 10.6 4.9
第25期 2003/9 10.4 5.1
第26期 2004/9 9.7 4.3
第27期 2005/9 10.0 4.5
第28期 2006/9 9.2 4.1
第29期 2007/9 9.0 4.3
第30期 2008/9 8.7 4.1
第31期 2009/9 8.3 3.8

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回次 決算年月 販管費率
(%)
広告宣伝費率
(%)
第32期 2010/9 8.0 3.2
第33期 2011/9 7.7 2.7
第34期 2012/9 6.8 2.4
第35期 2013/9 7.5 2.4
第36期 2014/9 6.8 2.4
第37期 2015/9 6.7 2.3
第38期 2016/9 6.5 2.0
第39期 2017/9 6.5 1.8
第40期 2018/9 6.5 1.8
第41期 2019/9 6.4 1.5
第42期 2020/9 6.9 1.5
第43期 2021/9 5.8 1.1
第44期 2022/9 5.7 1.0
第45期 2023/9 5.6 0.8
第46期 2024/9 5.8 0.8

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Q神奈川県でもこれから少子化がさらに進んでいくと思いますが、それに対する対応策をお聞きしたい。

ご指摘の通り、神奈川県でも少子化が確実に進みます。神奈川県の15歳人口のピークは1989年の13.3万人でした。2020年の15歳人口は7.8万人ですから、31年間で生徒数が41%減少しました(平均すると1年間で約1,800人減少)。日本全体での出生数を見ると、2019年が86.5万人、2020年84.1万人、2021年81.2万人、2022年は77.1万人、そして2023年は72.7万人となり、コロナ禍以降減少は加速しています。人口の社会的流入が比較的多い神奈川県でも、減少の波は確実に到来します。

この少子化への対応策は基本的には一つしかないと思います。「授業の質とシステムの良さをさらに磨き上げ、縮小する市場の中でシェアを継続的に高める」ということです。今、神奈川県の中でのステップのシェアをざっと考えてみますと、2024年、神奈川の公立中学の3年生が6.6万人、同じく’24年のステップ中3塾生が約8,700名(9月末現在)ですから、県全体でのシェアはおよそ13.2%です。実際には神奈川県で古くから校舎展開しているドミナント地域でのシェアは中学校によっては20%を超え、川崎市のようにスクールを開校し始めたばかりの地域のシェアはまだまだ低いのが現状です。そういう地域的散らばりを今後10年程度かけて埋めていくことになりますから、13.2%のシェアをさらに高めていくことは十分可能と考えています。

従って課題は新規に開校していく地域を含めて、「ステップならぜひ通いたい」と判断していただける授業とシステムのレベルアップを継続的に進めていくことです。なお、2024年以降も小中学生全体の数は確実に減っていくわけですから、現在の校舎については、定員制をしっかり守り、一つひとつの校舎規模の過剰拡大は行わず、2035年段階の生徒数となっても各スクールの経営が成り立っていけるような方向性での運営を心がけていきます。

資料1 神奈川県15歳人口推移(5年毎)

年度 15歳人口 2020年を100と
したときの割合
1985 11.9万人 152.0
1990 12.6万人 161.8
1995 9.8万人 125.4
2000 8.8万人 112.2
2005 7.7万人 98.2
2010 8.1万人 103.4
2015 8.2万人 104.4
2020 7.8万人 100.0
2025 7.7万人 98.3
2030 7.2万人 92.5
2035 6.4万人 81.5

2020年までは神奈川県年齢別人口統計調査結果より抜粋

2025年以降は神奈川県年齢別人口統計調査結果より推計

資料2 神奈川県15歳人口推移詳細
(2023年1月1日現在)

年度 15歳人口
1985 11.9万人
1986 12.5万人
1987 12.9万人
1988 13.1万人
1989 13.3万人
1990 12.6万人
1991 11.7万人
1992 11.2万人
1993 10.7万人
1994 10.3万人
1995 9.8万人
1996 9.3万人
1997 9.1万人
1998 9.0万人
1999 9.0万人
2000 8.8万人
2001 8.4万人
2002 8.1万人
2003 8.0万人
2004 8.1万人
年度 15歳人口
2005 7.7万人
2006 7.6万人
2007 7.7万人
2008 7.7万人
2009 7.7万人
2010 8.1万人
2011 7.9万人
2012 8.1万人
2013 8.2万人
2014 8.3万人
2015 8.2万人
2016 8.4万人
2017 8.2万人
2018 8.1万人
2019 8.0万人
2020 7.8万人
2021 7.5万人
2022 7.8万人
2023 7.8万人
2024 7.8万人

資料3 神奈川県の公立中学校在籍者数

年度 中3生徒数
2014 7.0万人
2015 7.0万人
2016 7.0万人
2017 6.9万人
2018 6.8万人
2019 6.7万人
2020 6.5万人
2021 6.7万人
2022 6.8万人
2023 6.7万人
2024 6.6万人

資料4 全国15歳人口推移(2023年10月1日現在)

年度 15歳人口
1985 192.6万人
1986 198.3万人
1987 203.0万人
1988 207.0万人
1989 203.5万人
1990 192.8万人
1991 184.5万人
1992 175.6万人
1993 171.2万人
1994 164.2万人
1995 160.2万人
1996 153.3万人
1997 151.7万人
1998 151.2万人
1999 149.6万人
2000 144.5万人
2001 138.0万人
2002 135.4万人
2003 131.7万人
年度 15歳人口
2004 126.5万人
2005 123.8万人
2006 121.3万人
2007 121.3万人
2008 119.1万人
2009 120.8万人
2010 122.2万人
2011 118.6万人
2012 119.3万人
2013 119.8万人
2014 118.0万人
2015 117.8万人
2016 117.4万人
2017 115.8万人
2018 112.5万人
2019 110.6万人
2020 107.7万人
2025 106.4万人
2030 100.4万人